第37回 眼科写真研究会 抄録集
2025年7月16日 更新
テーマ講演1:「超広角眼底撮影装置のココが知りたい!〜CLARUS700〜」
■ 大阪医科薬科大学 飯田朋美
学会の機器展示や講演などでご存じの方も多いと思いますが、近年、超広角眼底撮影装置がさまざまなメーカーから発売されています。超広角眼底撮影装置を使っていない方としては、どの機種がいいのか、使い勝手や便利さはどうなのか、すでに導入されている施設の方にとっては、他の機種の使用感はどうなのか、他の施設ではどのように撮影しているのかなど、気になったことはないでしょうか。
そこで、今回は当院で使用している超広角眼底撮影装置 CLARUS700 (カールツァイスメディテック社)について手技や機能などを解説したいと思います。
視能訓練士の視点から撮影のポイントや注意点などを動画も交えながら、超広角眼底撮影装置を使っていない方や撮影経験が浅い方にも分かりやすいようにお話します。
施設見学に行ったような感覚で見ていただき、明日からの臨床に役立つ内容になれば幸いです。
テーマ講演2:Xephilio OCT-S1におけるOCTAの使用経験
■ 大阪医科薬科大学 稲垣恵子
OCTA(optical coherence tomography angiography)とはOCT(optical coherence tomography)を用いて眼底の血流を描出する方法である。
蛍光眼底造影検査と違い、非侵襲的で繰り返し検査を行うことが可能である。
しかし、測定には時間がかかり、綺麗な画像を撮影する為には技術や工夫が求められる。2019年に広角撮影が可能なSS-OCTであるXephilio OCT-S1 (Canon社)が発売された。
この機種では、OCTAの画像を20×23mmの範囲で撮影でき、測定時間も早く綺麗な画像を取得できる。
近年、OCTAを撮影している視能訓練士は増えてきているが、広角OCTAの使用経験は少ないと思われる。そこで、当院で使用しているXephilio OCT-S1の特徴から、実際の症例までをOCTAを中心に動画を提示し解説していく。
一般口演:黄斑ジストロフィの眼底自発蛍光(FAF)
■ 医療法人 山田眼科 福井勝彦
眼底自発蛍光(FAF)は、眼底に存在する蛍光物質を示す。眼底自発蛍光撮影は、造影剤を使わず眼底の蛍光を撮影する検査法で細胞の老化や病的反応が、観察できる画期的な方法として近年、注目されている。
FAFは、網膜色素上皮細胞内のリポフスチンに由来し網膜色素上皮細胞内に蓄積し、加齢と共に増加する。また、FAFは網膜色素上皮の視細胞外節の代謝機能を反映していると考えられている。
網膜色素上皮に機能低下が起こるとリポフスチンが蓄積し過蛍光を呈するがリポフスチンが蓄積した網膜色素上皮では、網膜色素上皮が萎縮し低蛍光を示す。FAF所見が参考になる黄斑ジストロフィの経年変化を含めて報告する。
症例は、常染色体優性遺伝の黄斑ジストロフィである錐体(杆体)ジストロフィ(Cone-rod dystrophy)、卵黄様黄斑ジストロフィの卵黄期、炒り卵期、嚢胞期、偽蓄膿期と中心性輪紋状脈絡膜萎縮、常染色体劣性遺伝であるStargardt 病−黄色斑眼底㈽群の症例を対象とした。
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